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独り言の内容にしては相変わらずボンヤリとしているが朱色の眼は遠い彼方を見つめている。
今となっては取り戻せない、悲しくて切なくて、優しい記憶―――
「よっこらせっと…あー、立ち上がる時にこんな事言ったらもうジジィって?ガキん頃から言ってるつーの。」
再び空を見上げる。
「そら、年も取るわなぁ…」
ため息、ひとつ。
それは風に舞い上がり、宇宙船飛び交う青空に吸い込まれていった。
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