プロローグ

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07:30 桜舞い散る春の朝、一條拓海は現れた。 綺麗な顔立ちだが、どこか憂いている様な表情、スラリとしている体型、男子にしては長くてサラリとした黒髪。 中性的な容姿故に、犀嶺高校入学当初から“犀嶺一の美男子”と呼ばれたその男は、注目を集めながらクラス分けの紙の前に立った。 轟音鳴らすバイクに乗って、海月大和は現れた。 厳(イカ)つい顔立ちに真っ黒のグラサン、ガッシリとした体型、しっかり染めた金髪。 そして何より彼の波乱の中学時代の噂によって入学当初から“犀嶺一の問題児”と呼ばれたその男は、注目を集めながらバイクをクラス分けの紙の前に止めた。
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