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「こら、おまえら授業中だぞ!うるさいぞ!何やってんだ!」
大きな声を出したので、担任の大熊先生に注意されてしまいました。この先生は、体も大きく、怖い先生です。皆は「大熊」ではなく「鬼クマ」先生とあなだで呼んでいるくらいです。
(ベーッ! 鬼クマなんか無視!無視!)
R美は、大熊先生に見つからないようにあかんべえをしながら、そっと舌を出しました。
R美は全然めげません。そこのページに載っていた
『悪魔を呼び出す方法と呪文』をノートにちゃっかりと書きとめていたのです。
その晩、R美は自分の部屋で夜中の十二時がやってくるのを待っていました。
昼間、彼女がノートに書き写したメモには、こう書かれていました。
『願いごとを叶える法』
まず新品の丸い鏡を用意する。部屋じゅうのカーテンを全部閉め切る。そして電気を消し、ろうそくを一本だけつける。
部屋の真ん中に正座し、真夜中の十二時ちょうどになったら、鏡に映っている自分に向かって次の言葉を三回唱えること。そして、最後に自分の願い事を言う。
『悪魔よ。悪魔。暗黒の世界から飛び出し、わが呼びかけに答えよ!
そして、わが願いを叶えたまえ。
もし、それが叶うならばおまえの望むものを捧げよう。』
R美の部屋はすべてカーテンが閉められ、部屋の明かりも消されています。
あるのは一本のろうそくの明かりのみ。ゆらゆらと炎がゆれながら、R美の顔を映しだしています。
そしてそばには、買ったばかりの丸い鏡がありました。
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