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そして、俺は晴れてボーイミーツガールというものを経験した。
身長は俺より少し小さいくらい、165センチ程度。
肩くらいまで伸びた金髪は染めたものとは格の違いを感じるくらいの綺麗さだった。
服は雨に濡れてピッタリついている以前に、大分汚れている。
そんな女の人が倒れていた。
「外人だ」
顔を見ると日本人より鼻の高さがやっぱり違う。
「…どうしたんだろう」
近くには外人なんていないはずだし、別の地域から逃げてきたのか。
「…まあいいや」
タオルが二つあったから胸と腹のあたりを覆い、おんぶする。
軽いな。
そのまま、俺は歩いていった。
バー、『アトモスフィア』。
その店の上の部屋が俺の家。
「弥生さん、今帰りました」
「ああ、彰か、お帰り」
マスターの弥生さん。
年齢は三十路二歩手前。黒髪のショートカットの美人さん、お客さんからアプローチを受けるのを見たりするほどの美人。
「とりあえず頭拭き…。それ、どうしたの?」
背中の女の人を指差す。
「…拾ってしまいました」
弥生さんはため息をついた。
「着替えさせないと風邪ひくな、お店少しお願い」
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