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冷蔵庫の中のパンを確認。
「あんパンはわからないかもだし、ランチパックの白熊も微妙だ、おいしいけど。あとのはあんまり味気なさそうだし…」
考えた結果、クリームパンを選んだ。
部屋にもどって、すやすやと寝ている女の人をのぞきこむ。
年齢は…いくつなんだろう、俺より年上に見えるけれど、外人って年齢より若く見えるし、でも弥生さんよりかは年下だな。二十歳くらいだ、たぶん。
「それにしてもホント軽かったな」
背中に抱えた時にあんまつらくなかった。
腕とか足はスッゴいやせ細っている。
「なんでこんなになるまで…」
頬杖をついてのんびり…
「……?」
彼女は目を覚まし、上体を上げた。
見知らぬ少年が横にいるのを見た後、自分の体を覆っているものを見る。
これが布団、なるほど暖かくて心地よい。
「(可愛い…)」
少年は布団の横であどけない寝顔を見せている。
母性本能が働き、少年の頭をなでる。
「…ん、寝てた、か」
彼女の知らない言語を話し、ゆっくり立ち上がる。
「ああ、起きたのか」
「(ご、ごめんなさい!)」
早口でまくしたてるが、少年も彼女の言葉がわからないようで首を傾げている。
不意に、きゅるる、という音が聞こえた。
少年はその音の元、彼女の腹を見る。
彼女は頬を赤く染め、少年は無表情のまま立ち上がった。
少年は部屋の扉を横にずらして数秒してから二つの物を持って戻ってきた。
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