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着替えをしたらしい黒崎さんは、黒いTシャツに黒いハーフパンツ姿。
「なんでまた濡れた服着てんの?」
眉間に皺を寄せて、少し怒気を含んだ声音。
いやいや、怒られてもね……
私的には善かれと思った行動は、黒崎さんにはアウトだったらしい。
でもね!
確かに私が悪いしね!
黒崎さんには心配も掛けたしね!
でも、でも、今はとりあえず家に帰して欲しい。
すぐ隣だし。
めちゃくちゃ近いし。
それに下着を着けていない今、この密着さ加減は余計に恥ずかしくて、絞ってポケットに突っ込んだ下着がぽろりと出て来ないか心配になる。
それにまたバスルームに入れられて今度こそ着替えるとしたら、黒崎さんの服なわけで……
下着の無い今、ノーパン・ノーブラで服を借りるのは何だかとっても申し訳ないし、はっきり言ってイヤだ。
お風呂入って着替えたらちゃんとお詫びに伺うから、とにかく今は帰して欲しい!
そんな乙女の事情などお構い無しの目の前の綺麗な男は、今にもバスルームに私を放り込みそうな雰囲気を醸し出している。
仕方ない。
やっぱり恥を忍んで言うしかないか……
意を決して黒崎さんを見上げたのと、黒崎さんが口を開いたのはほぼ同時だった。
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