moon,4

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つくづく私は間が悪い。 「俺と一緒にシャワーを浴びるのと、一人でシャワーを浴びて着替えるのとどっちがいい?」 「……」 まさかの二者選択?! いやいやいやいや、だからそうじゃなくてね。 下着がね! なんだか泣きそうになった。 「違うの。そうじゃないの」 「ん?」 答えとは違う事を口にした私に、黒崎さんは目を細めている。 「し、下着がね!あの……濡れてて」 ──ああ、恥ずかしいぃ 尻窄みに声が小さくなり、『着替えたらまたお詫びに伺うから』と消え入りそうな声で言った私に、黒崎さんは『……悪い』と言って、なら俺も一緒に行くとお姫様抱っこのまま玄関を出ようとした。 「いやいやいや、待って!」 「ん?」 そんな優しい顔してもダメですよ。 「一人で大丈夫だから、下ろしてください」 「ダメだ」 ああ。また眉間に皺が…… 「な、何で?」 「一人にするのは心配だから」 「え……。何で?」 「馬鹿かお前は!さっきまでのお前を見てて一人になんて出来る訳ないだろう!」 「ッ──」 目を見開いて驚く私に、『怒鳴って悪い』と謝った黒崎さんは玄関を出て私の部屋へと連れて行ってくれた。    
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