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でも…なんとかして買わないと菰田くんがお昼抜きになってしまう…。
私は覚悟を決めて人混みの中へ入って行った。
けど…。
全く前に進まない…。
逆に押し戻されてしまう…。
神様!
私にはムリです!
~30分後~
人混みも消えた購買は、パンはもちろん全ての食べ物が消えていた。
ど…どうしよう…。
これじゃあ菰田くんは腹ペコになっちゃう…。
「私のお弁当じゃ…代わりにならない…かな…」
誰もいなくなった購買で立ち尽くしていると。
私の頭に何かポンっと置いた感触。
私は自然に見上げると、そこには姫島くんがいた。
「えっ…?」
姫島くんが手に持っていたのはメロンパンとサンドイッチ…と、なぜか私のお弁当袋。
いまいち状況が掴めない私の前に今度は菰田くんが現れた。
「おっ!サンキュー委員長!」
「えっ?」
私の手からメロンパンとサンドイッチを奪い取り、走りながらメロンパンを頬張って行った。
取り残された私と姫島くん…。
姫島くんは一言「ごちそうさま」と、言って歩き出した。
「えっ?あのっ…!」
またお礼も言えないまま姫島くんは行ってしまった。
でも…なんで…ごちそうさま?
私の手にはお弁当袋。
ん?
なんか…軽い気が…。
そっとお弁当袋を振るとカラカラと見事に音がした。
キーンコーンカーンコーン
私は結局…菰田くんに頼まれたパンも買えず…お弁当にもありつけずにお昼休みが終わった。
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