~眠り姫~

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日曜日の駅前 「わ…」 駅前でピエロの格好して踊ってる人がいた。 ピエロなのに? 優雅でキレイで紳士的で何も持っていないのに、まるでそこにはモノが存在しているかのようですごく引き込まれた。 私は思わず小さく拍手をした。 そのピエロが私に気がついて一礼すると? 突然! パッと手品のように一本の薔薇の花を差し出した。 私はためらいながらピエロさんを見ると? ピエロさんはニッと笑ってうなづいた。 私はそっと薔薇の花を受け取った。 「あ…ありがとう…ございます…」 私は深々とおじぎをした。 すると? 「真佐子(マサコ)!」 なっちゃんの呼ぶ声がした。 「こんなトコに居た! イイ歳して迷子にならないで! めんどくさいから!」 そう言ってなっちゃんにグイグイ引っ張られてしまった。 あ…ピエロさんが…。 と、思ったけどなっちゃんに言えず…私はそのままなっちゃんに拉致されてしまった。
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