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カバン持ってくるの忘れた
放課後、教室に戻った意味ないじゃん
は~とため息がでるが、カバンを取りにまた教室に戻るのが面倒で、とぼとぼと帰路につく
不意に、あたしの肩の上に、ポンっと手が置かれた
びっくりして振り返ると、中学の時に仲のよかった先輩がいた
「よっ、雫!」
「お久しぶりです、坂本先輩」
ニコっとあたしが笑って返すと、先輩はニカって太陽みたいに笑う
いいなぁ~、この笑い方
すると、先輩の口の端がつり上がって意地悪顔になった
「お前1人?かわいそうなやつだなぁ~」
「それはお互い様ですよ?先輩」
あたしはあんまり冗談が通じるほうじゃないが、坂本先輩は冗談を言うとき、ニンマリ笑うから分かりやすい
おかげで、先輩とは安心して冗談が言い合えて嬉しい
「確か雫の家って、俺と同じ方向だったよな?よし、寂しい者同士、仲良く帰ろうぜ!」
「仕方がないので、一緒に帰ってあげます」
「お前なぁ~…」
先輩と目が合い、2人でプッと笑い、たわいもない話をしながら、あたし達は歩き出した
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