それぞれの過去

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華「優姫ちゃん、あの…ちょっと聞いていい?」 結局華菜は、最初の2日間は、寮にはいらず、理事長のプライベートルームで過ごすことになった。 寮に入るのも、授業に出るのも2日後だ。 そして今、そのプライベートルームで、優姫と二人きりなのだ。 優「別にいいけど、なあに?」 華「理事長、昨日…優姫ちゃんと零くん、養い子だって言ってたでしょ?零くんは事情があったみたいだけど、優姫ちゃんはどうして?それに、零くんはただの養い子で、優姫ちゃんは養女なんでしょ?なんで零くんは養子じゃないの?」 あはは…いたいとこつくなあ、華菜ちゃん… 優「零は、家族を殺されたんだよ…だから、せめて家族との縁を切りたくないから、『錐生』のままなんだよ…」 華「ころ…された……そんな…」 家族を…殺された。ニュースで毎日のように殺人事件をやるけど、実際にそんな境遇の人と関わるとは… 優「私は…ないの、記憶が。5歳より前の記憶が…」 華「記憶が…ない?」
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