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――丸太で殴られた様な衝撃が左肩の防弾アーマーをいとも簡単に破る
「クソッ!!」
針夫は左肩が折られていない事に少し驚きながらも
走り続けた。
しかし“奴”は簡単には離れてくれなかった。
「まだついて来てんのかよ・・・」
彼が悪態をついても“奴”は止まってはくれない。
ただ走り続けて逃げなければという思いだけが彼の頭ね中を占拠していた。
「こいつをくらいやがれ!!」
苦し紛れに後ろの奴に向かって八九式小銃を短連射する。
しかし
闇に響く音はタッタッタッという八九式の小気味のいい発射音とガンガンガンという奴の硬い
まるで石のような肌に当たる音だけだ。
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