―序章― 人間暴風雪

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えーっと。 一週間っていうのは月火水木金土日の七日間で。 “週一”とか“週二”とかいう言葉は、普通は一日単位に使われるわけで。 「は…?」 それで“週五”なんて言ったら……なんて。 そこまで考えなくとも一瞬で理解できる。 この先生は今、あたしの平日全てを英語漬けにすると、そうおっしゃった。 「週五って…っ!?」 「うわ、カワイソウ」なんて、隣で言うのは遥。 うるさいバカ! 彼にそう喚かなかったのは、単に喉が詰まったからだ。 平日全部英語!? どこの馬の骨とも知れない大学生相手に、月火水木金英語漬け!? 「あた、あたしには他にも勉強しなきゃなんない事が」 「24時間やれってんじゃない」 「だ、だけど勉強の片寄りは」 「今までが片寄ってんだ。英語やらなさ過ぎだお前」 「だからって今手抜いたら」 「休日あるだろうが」 「そんな…」 「次、佐保」 「ちょっと…!」
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