―序章― 崩された日常

2/26
241人が本棚に入れています
本棚に追加
/344ページ
所謂あたしの“オトメゴコロ”ってものは、一見複雑怪奇なシロモノで。 ときどき自分でもよくわからなくなるくらい、おかしなモノで。 だけど根っこは単純で。 そこに戻ればいつでも、あたしはあたしを把握できて。 どんなにわけのわからないことになっても、基本的にあたしは原点を見つめることで解決していて。 同時にあたしは今まで所詮自分のことで手一杯で、あたし以外の誰かの事を把握なんてしていなくて。 だからこそ。 『お前だってわかってんだろ?あの先輩が――』 ――だからこそ。 いきなり投下されたわけのわからないその言葉に、あたしの頭は完全に掻き乱された。 あれだけ確固たるものに形成されていた日常は、あっという間に崩れ去った。
/344ページ

最初のコメントを投稿しよう!