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紙ヒコーキのなかには、少し荒っぽい字で『今日の放課後、裏庭で待ってます。』とだけ書いてあった。差出人の名前は書いてない。 ただのイタズラだと思ってまた紙ヒコーキを折りなおす。 そして開いていたまどから投げようとした。 「え!?捨てんの?」 あと3秒くらいで投げようとしたとき、宮野が言った。 「捨てるよ~、きっと美岬のイタズラでしょ」 ははっと笑って、次こそ投げようとした。少し腕を引いて、いち、にの、さん… 「待って」 また宮野に止められた。 しかも、右手で紙ヒコーキを握っている。 「あのさ、吉高って、わかってはいたけど馬鹿だよな」
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