運命の出会い

2/4
前へ
/4ページ
次へ
そう思うようになったのは、いつからだろう。 さくらに出会ってからかな? それとも、慶ちゃんとシゲとマッスーに出会ってからかな? いつからそう考えたかは分からない。でも、俺は身近な場所でみんなと出会った。 運命?奇跡? …まっ、そんなことどうでもいっか。 「手越~お前も手伝えよ~」 「今行く~」 だって、俺はかけがえのない人とちゃんと出会えたんだから。 11月11日 今日は俺の誕生日。 いつもだったら『さくら』と毎年どこか場所を決めてデートをしていた。 去年は箱根に温泉、一昨年は沖縄に行った。だから来年はディズニーランドでデートって言ってたのに… さくら、お前がいない日々なんて俺には辛すぎるよ。 会いたくて、たまらないよ…。 さくら、そういえば毎年この時期に早くも飾られたこの木のクリスマスイルミネーション好きだって言ってたよな? 俺も好きだったはずなのに、一人でこれを見てると胸が締めつけられる。お前がいなくてもこの木は綺麗に輝いている、それを見るとムカつくよ。 ガタッ 「おいテメェなにぶつかってくれてんだよ。」 木の前でぼぅ~としていたら、見知らぬ人に肩が当たってしまった。 いつもだったら「すいません。」なのに、 「だからなに?」 喧嘩腰になってしまった。 「謝れっつってんの、聞こえねぇのかテメェ。」 「テメェテメェうるさいんだけど。」 「あっ!?なんだとこの野郎ー!!」 見知らぬ人は俺の胸倉を掴んだ。 周りは悲鳴をあげたり、野次馬になったりとみんなイルミネーションじゃなく喧嘩の見物をしている。 周りをまたぼぅ~と見ていたら、相手が殴りかかってきた。 ‘ああ、俺殴られるんだ…’ そう思ってた。しかし、 「何やってるんだ君たち!!」 叫び声がした方を見ると背の高い警備員が立っていた。 「ヤバッ」 見知らぬ人は俺を突き飛ばし、一目散に逃げた。 周りを見ると残念そうな顔をした人が何人かいたが、一斉に散った。 そして、警備員さんは俺に近づいた。 .
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加