プロローグ

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空は黒く、大地は血の赤に染まり、辺りは死体の海とかしうめき声が微かに聞こえ、血の臭いを纏う風が吹く。 その中で王は血で染まりし剣を手に、ただ空を見上げ静かに涙する。 その瞳は悲しみと復讐の色を強く宿し、光は消えていた。 「…君のいない世界なんて、何の価値も持たない。…何故、我の前からいなくなってしまった。我が愛しいイリス。」 その小さな呟きも、風に呑まれ消えて行き、誰にも届くこともない。 そして王は再び殺戮を繰り返す。 王の心は死んでしまった。 何も感じない。だからこそ気付かない。自らの心が壊れていくことを。 .
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