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『立てば芍薬、座ればボタン、歩く姿は百合の花』
わたしは心の中味こそ、こうではあるが、見た目は悪くない。
それゆえ昨日の様な事もあるのだろう。容姿のために、苦労する事も多い。
落ち着いた顔立ちからか年齢以上に見られ、近寄りがたい雰囲気があるといわれる。
幸い電車の中で嫌な思いをする事はないが、誰かがわたしの事を見ているかのように感じる。
加えて、勝手にわたしが女生徒と
恋愛すると妄想している輩までいること。
こうまでなってくると、わたしも腹を決めてこの運命に身を預けた方がよいのかも知れない。一方で、わたしはわたしでありたい。
いっそ誰でもいいから、この純潔を汚してもらおうかと思うが、アプローチとしてはかなり無理がある。
男友達に頼んだ時もそうだ。
「君はそんな事は言ってはいけない。もっと自分を大事にしなよ。」
ひどく正論で胸がいたんだ。もっとも本当に誰でもいいなら、その男友達に頼む必要もない。臆病な自分にも気づいた。
お天気雨が憎たらしい。秋の空は、本当に読めない。
そんな時、ふと目を奪うものがあった。
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