一章 始まり

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とりあえず急いではみたのだが、どうやらチャイムはなったが先生はまだ教室にはきていないようだ。   ふぅ、早めに家出てきたのにこれかよ…、と俺は教室の扉を開ける。   すると、もう慣れた光景だが、殆どの生徒はこちらを見るなり急に静かになり、ぼそぼそと何かを喋りだし俺の席への通路を開ける。   うぜぇ…ったく、何もしねぇっての、そう思いながら俺は席に着く。     ちなみに俺の席は1番後ろ端の窓際だ。 席替えの時になぜか俺だけは、ここでいいだろ?と指名された。 まぁ理由はどうあれ嬉しいんだけどな(後ろ端の窓際とか誰もが望む場所だよな?)   他の生徒は俺にビビる中?何事もなかったかのように俺に話しかけてくる二人がいる。     『ちょっと神代くん、予鈴はとっくに鳴ってるわよ?先生が遅れてるけど本当なら遅刻よ!?』   その一人がこのうるさい女だ。 このクラスの委員長で、本当は「立花華憐」という可愛らしい名前があるのだが、みんなからは真面目な性格もあってか、そのまま「いいんちょ」と呼ばれている。   本人もそう呼ばれることをとくに気にしてはいないようだが…?     『なんだよいいんちょ、べつに遅刻しなかったんだからいいだろ?』   『ダメよ、さっきも言ったけど先生が遅れてるだけで本当なら遅刻なのよ?それに何のために予鈴があると思っているの!?だいたいあなたはいつも』   『すみませんでした次からはちゃんと遅刻せずに来ます』     長くなりそうだったから棒読み気味にだが素直に謝って終わらせることにした。   『もう、しっかりしてよね?』   そう言い残すといいんちょは離れていく。             「ちょっといいんちょ、よく神代くんと話せるわね怖くないの?」   「そうよ、急に殴られるかもしれないわよ?」     『そう?怖がったりしたらいい気にさせるだけよ、それにクラス委員長としてああいうのは放っておけないの。それに…みんなが言ってるより割りと普通に…』     「「え?」」     『うぅん、なんでもないわ、ほらあなた達も、先生来る前に』     「「はぁ~い」」
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