様々な者達の序章

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      《1》     「肌の色の違い……それが如何(どう)してこうも僕らに差を生むんだろう……? 僕たちが、いったい何をしたのだろう。僕たちの行いが、いったいどんなひどいことをもたらしたと言うのだろう?」 少年は一人、およそ毛布とは言えないものに包(くる)まりながら呟きます。 ――が、それに答える者など、少年の周りには誰一人としていませんでした。 優しかった母親も、 厳しかった父親も。 誰もが白人に連れて行かれる中で、少年は毛布に包まり続けるのでした――。
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