様々な者達の序章

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昔々、黒人が白人に奴隷として扱(こき)使われていた頃の事。 黒人は労働力とみなされて、白人の非道なる自分たちへの行いに、我慢に我慢を重ね続けなければいかなかったのです。 それは一方的に行われる、オセロ。 またはチェス。 四方を敵に囲まれた状態で、彼らは互いに互いを助け合いながら、生き続けているのです。 不平等な世界の上で――。 見て見ぬ振りする人塵(ひとごみ)の中で――。 それでも、お互いを守り合い、助け合い、立っているのです。 分かりきった互いの関係の下で――。 信じ合った者同士の、その『信頼関係』の中で――。 さあ、語り合おう…… この世界の、 歪みを。 妬みを。 虚飾を。 偽りを。 矛盾を。
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