様々な者達の序章

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さあ、暴き合おう…… この世界の、 謎を。 関係を。 意味を。 私怨を そしてまた――矛盾を。 そして染め合おう…… 黒く、黒く、真っ黒に。 白く、白く、真っ白に。 黒が悪だと誰が決めた? 白が正義と誰が言った? 僕たちに価値が無いと、誰が決めた? 白こそが全てだと、一体誰が言った? 彼らは、何も悪いことなどしていないのだ。 ある日、神は創造した。 全てが正しく公正な世界を。 ……しかし、その後生まれてきた人々の行いは、神の想像を遥かに超えた。 何が悪かもわからない世界を、人は創り上げてしまったのだ。 神々の想像でも、追いつけないような――驚異的速さで。 知識を蓄えた獣のように、狡猾に、人は世界を壊した。 何億年の秩序を、何も無かったかのようにひたすらに壊し、神にバランスを整えるための使命を負わせた。 それを神はただ、無表情で背負いだす……。 「私が元に戻そう。何も出来ずに死ぬくらいなら、少しは世界を楽しみたい……。 なに、私一人で平気だよ。どうしてもと言うのなら、ついてくるがいい。 私と共に世界の礎となる、そんな大した心意気があるなら。」 問われた相手は、やはりそれに淡々と答える――
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