プロローグ

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  今日が週末で良かったと思った。 うっかり自分のメガネを落として踏んでしまい、近くのメガネ屋まで歩いて修理に行く事になったからだ。 しかし不運な事に、そこの店で修理に出すと直るのは明日の昼になってしまうとの事。 それでは仕事にならないので困ると伝えると、隣の店だと在庫も有りすぐに直せると言うので、仕方なく電車に乗っていつもは降りない隣町のメガネ屋に向かった。 だけど、ただでさえ使い慣れない駅のホームで今は裸眼。 何かに躓き、ホームの柱にぶつかってしまった。 痛さに俯くと鼻から温かい感触がして、地面にポタリと赤黒い染みが広がった……。 《最悪だ………》 そう思いつつ上を向くと、 「あ、だめです!」 との声。 その声の方を向くと、高校生くらいの華奢な女の子が目の前に立っていた。
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