テニスコートに二人

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「おい……大丈夫か?」 「ふぇ、ふぇ」 「ののか?」 「ふぇんはーい!くちうるし。くちうるししませう!たぁ、はやぐ!!」 「ちょっ、お前、何考えて、いいから飲み込め、いちごみるくを口移し用に微妙に残すなーー!!」  ののかは嫌がる俺に口移ししようと、頬を微妙に膨らませて迫ってくる。  俺はコート内を逃げ回った。  ののかとの、追い掛けっこがはじまる。 「センパーイ!なんで逃げるんですかぁ?待って下さいよぉ」 「知らん!来るな、飲み込め、はしたない、こっちまで恥ずかしいわ!」 「センパイ!わたし、センパイのことが、ずっと好きだったんですっ!!」 「な!?」 「だから、だからセンパイ。わたしの、気持ち受け取って下さーいっ!」  ののかは、自分のラケットを掴むと、ボールを水平に挙げ、サーブの構えをつくる。
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