テニスコートに二人

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俺は身体の力が抜けてしまい、壁打ちをやめた。 「はぁっ…はぁっ」 「センパイ、やっぱり飲んで下さい!」 「あ?」 「そんなに息を切らして……熱中症にでもなったらタイヘンです。わたしの事は気を使わないで飲んで下さい」 「ののか……」  ののかは俺に、プルタブを開けたいちごみるくを差し出してくる。  また上目遣い、しかも涙浮かべて内股、爪先で背伸びするオマケつきかよ。 「そそりますか?」 「そそらねぇよ!」」 「ったく!今更断るのも悪いし頂く」 「は、はいっ!センパイどぞっ!」  ののかからいちごみるくを受け取った俺は、早いピッチで喉を潤してゆく。  思ってた以上に喉がカラカラだったらしい。 「センパイ!ストップです!!」 「お、おい!」  丁度半分くらい飲んだ所で、ののかが俺のいちごみるくを半ば強引に奪い取る。
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