テニスコートに二人

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「ののか……お前まさか!」  しまった、と思った時には既に遅し。  ののかは両手で缶を持ち、いちごみるくの小さな飲み口を見つめ、ワナワナと肩を震わせている。 「センパイ……センパイと、キス」 「違う!!」 「ずっと憧れだったセンパイと、き、き、キス……センパイとセンパイと!!」 「ののか、缶をよこせ!恥ずかしいからやめろよ、おいっ!!」  しかし、ののかは額に汗を浮かべながら、真っ赤になった頬をうっとりさせ、覚悟を決める。 「ののか、いっきまーーすっ!!!」  ののかは勢いよく俺の飲んでいた、いちごみるくを飲み干した。
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