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簡単な夕飯を済ませ、シャワーを浴びている間も、読者の命を奪う物騒な書物について考えを廻らせていた。
もしも、自分が読んだら、自分はどんな最後を向かえるのだろうか。
自分はどのように、本に殺されるのだろうか。
死にたいわけではないが、自らに刻みこんだ文字を読ませるだけで、次々に命を刈り取る悪魔の書への興味は、厚手のゴム風船のように、頭の中でどんどん膨らんでいった。
気になる……。
気になる……。
手早く着替えを終え、荒らぶる鼓動を抑える暇もなく、パソコンを立ち上げた。しかし、インターネットなどで情報が見つかるのだろうか。
読むと死ぬ本。よくよく考えたら、いかにもファンタジーゲームやホラー漫画に登場しそうな、ありふれたアイテムじゃないか。
思った通り、《読むと死ぬ本》で検索したら、何千ものブログ、オカルト掲示板、個人サイトが検挙された。
上から順番に、似たような情報ばかりだが、次々にそれらのサイトにアクセスしていった。
時計を見ると、すでに日にちを跨いでいた。だが興味は止まることはない。やはり、その本には人を引き付ける魔法的な力があるのだろうか……。
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