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はぁ、とため息をついてから漣は顔をしかめて鼻にまとわりついてくる煙を手で払う。
「花、煙草くさい」
「おっと悪い」
あまり悪びれたようには思えない表情で、名前を呼ばれた少年はとりあえず風下に移動する。
カラッと晴れた、突き抜けるような青色の空に紫がかった煙草の煙が溶けて消える。
「何でそんなもん吸ってんだか……美味いのかソレ?」
大袈裟に鼻をつまんで将は軽蔑したような目で花を見つめた。
「美味いよ、将も吸うか?」
げぇ、という顔で将はブンブンと首を横に振り、
「俺は健全なスポーツマンであるからしてつまりノータバコノーライフです! 」
それ意味違うんじゃねぇ? と漣は首を傾げながらまた一口パンを頬張る。
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