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「とりあえず将、お前はフェンス乗り越えて屋上の縁にたつんだ」
よしきた! と勇んで将は漣の言う通りするすると猿のような器用さでフェンスを乗り越える。そうしてビビりながらも屋上の縁にスタンバイ。振り向いて、
「で?」
「で、川中が来たらこう言うんだ、“近付いたら飛び降りるぞ!!”」
花が漣の言葉の後を引き継ぐ。将は素直に聞き分けよく頷いた。
「ふむふむ、で?」
「でも川中は頭悪ぃから多分走って突っ込んでくる」
「ふむふむ」
「その隙に俺と花が扉を抜けて脱出だ」
「ふむふ――‥ちょっと待てよそれじゃあ俺はどうやって逃げんの?」
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