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狂戦士
「ここが…」
ギルバートは城下町『スチル』にたどり着いた。
「とりあえず城に行こう。」
ギルバートは城ヘ向かった。
「!?…何者だ!?」
「ハラの者です。」
「ハラから?」
「はい。王様にお伝えしたいことが…」
ギルバートは王との謁見の間に通された。
ギルバートはハラで起きたこと、北大陸が封印の杖を狙っていることを王に伝えた。
「なんだと!?」
「信じられん…」
王を含め謁見の間にいたものは、その話に明らかに動揺していた。ギルバート自身もまだ動揺していた。
「…ここもやがて攻められるだろうな。」
「…封印の杖はここにありますし…」
沈黙の中、王と側近がつぶやいた。
「封印の杖を手に入れて、どうするのでしょうか…」
ギルバートは独り言のようにつぶやいた。
「封印の杖には強力な魔法も扱えるほどの魔力を秘めていると言われている。そのうえ…」
王はそこまで言うと咳払いをし、
「と、とにかく、封印の杖を奪われてはならんのだ。」
と言い、
「そうだ、君、名はなんと言う?」
と尋ねてきた。
「僕は、ギルバート・ルーラと言います。」
「ギルバート・ルーラ?まさか…。」
「どうされました?」
王はまたも何か言いかけたが、
「いや、なんでもない。君はこれからどうするつもりだね?」
と尋ねてきた。
「僕は…仇を討ちたいんです。家族や村のみんなの…」
「そうか、ならば私の下で働かないか?」
「え?」
突然舞い込んだ話に、ギルバートは驚いた。
「我々の目的は同じだ。ならば君も個人としてではなく、我らの仲間として動く方が良いのではないか?」
「ですが、僕には力がありません。」
「ならばこうしよう。そこにいる若い兵士と訓練所で決闘するんだ。それはとても腕の立つ男だ。決闘の内容次第で君のこれからを左右する。どうだね?」
「…分かりました。」
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