狂戦士

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「さあ、訓練所まで行こうではないか。」 ギルバートは言われるままに訓練所へ連れられた。 「―では始めてくれ。健闘を祈る。」 「…ゆくぞ。」 男は大剣をいとも容易く振り回す。 「っ!」 ギルバートはその力に驚いたが、難なく避け、距離をとると、真空波を放った。 男は大剣で空気をなぎ払い、それによって生じた真空波でギルバートが放った真空波を相殺した。いや、それどころか、男が放った真空波はギルバートに襲いかかった。 「くっ。」 ギルバートはなんとかバリアで防いだ。 しかし、男は既にギルバートに近づき、大剣を振りかぶっていた。 (こんな所で、やられてたまるかぁ!!) 男は大剣を振り下ろした。しかし、そこにギルバートはいなかった。 「消えた!?」 男と王とその側近は驚いて同じ言葉を発した。 ギルバートは男から少し距離のあるところから、男の背中を見ていた。 「ここからは、僕の番だ。」 ギルバートはそう言い放ち、剣を抜いた。 「…ちっ。」 男は舌打ちして、先ほどのように真空波を巻き起こした。 しかし、ギルバートはそれを飛び上がって避け、そのまま男に剣を振り下ろした。 男はそれを避けたが、反動で吹き飛ばされた。 「くっ…」 男は体勢を立て直すと、近づいてきたギルバートに切りかかった。しかし、手応えはなかった。 「どこだ!?どこにいった!?」 「ここだ!」 振り返った男の眉間に、刀が突きつけられる。勝負はついた、ということである。 「…降参だ…」 男は悔しそうにつぶやいた。 この一部始終を見ていた王と側近は驚いた。 「あれを負かすとは、すごいじゃないか。これで君が十分に戦力になることが分かったよ。ぜひこれからは我が軍で働いてくれ。」 こうしてギルバートの東軍としての日々が始まった。
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