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かっ…!!」
突然、木の上から何かが襲いかかってきた。
なんとか避けてすかさず剣を抜いた。
「今度は何だ!?」
「悪いな、ここから先は俺と戦って勝たやつしか通らせないぜっ。」
茶色の長い髪の男がそう言い放った。
「僕は王様に伝えなきゃいけないことが…」
「ん、なんか言ったか?まあいい。いざ、勝負!!」
男は右手に短刀を逆手に持つと、ギルバートに素早く接近してきた。
ギルバートは距離をとろうとするが、男はそれを凌駕する速さで一気に距離を詰めた。そして目にも止まらぬ速さで切りかかってきた。
「くっ。」
ギルバートは一瞬圧倒されたが、剣で受けたり避けたりするなど、なんとか男の剣撃に対処した。
「やるじゃねえか!だが…!」
男は急にギルバートから離れた。
(守りっぱなしじゃ負ける…っ!!)
ギルバートは男との間合いを詰めに行ったが、男は視界から消えていた。
「!?…!!」
辺りを見回していると、斜め上から矢が飛んできた。
慌てて避けるが右頬に痛みを感じた。そこに触ってみると血で滑っていた。木の上から男が弓矢を構えていた。
「あいにく、俺は飛び道具も扱えるんでね!」
そう言い終わると同時に矢が数本飛んできた。
(そうくるならっ)
ギルバートは手のひらを矢が飛んでくる方向にかざした。
「はあっ!!」
真空波が瞬く間に矢を粉々にし、さらに木の上にいた男に襲いかかる。
「なんだと!?」
男は木から飛び降りた。男がいた木の枝は粉々になった。
「仕方ねえ。」
男はつぶやくと、さっきよりも速くギルバートに迫った。
「止めだ!!」
男が短剣で切りかかろうとした瞬間、ギルバートは素速く男の懐に潜り込み、掌底を喰らわせた。
「ぐっ…」
男は吹き飛ばされ、地面に投げ出された。辛うじて受け身をとり、起きあがろうとするが、目の前に剣を突きつけられた。
「…先へ行かせてもらう。」
「…へっ…さっさと行きやがれ…」
男は呟いた。
ギルバートは先へ進んだ。
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