偽りの始め

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白い残響に目が霞む。 腕に包む温もりは酷く頼りなく弱く儚く。 己の温度と混じり溶け合い、もはやどちらのものかも解らない。 『…………。』 くらいくらい海の底。 沈めたあなたが最期に静かに眼(まなこ)を開き、囁いた。 ――――――アナタ ノ 幸せ ヲ、………願ッテル。
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