気になるあの子

4/4
355人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
それからなぜだか 篠田は あの子を気にかけて 目で追うようになっていた。 それは好意だなんだというよりも ただ単純に あの子が心配だったから。 生徒たちの輪に馴染めず いつも一人でいるあの子を ただ単純に 見守ってやりたいと思ったから。 「麻里ちゃん!麻里ちゃん!」 はぁ… なんとなくいいところだったのに 篠田の名前を呼んだのは やっぱり あの騒がしいグループの大島。 それから 秋元に宮澤にその他大勢。 「なに?」 「麻里ちゃん!悩み事??」 「アンタ達がウルサイから  どうにかならないか悩んでたところ。」 「あちゃー!  恋の悩みかと思って  笑ってやろうと思ったのにー!」   「こらこら、優ちゃん。  麻里ちゃん怒っちゃうよ?」 なんて、 アイツらはゲラゲラ笑っている。 だけど、 これが本来の大学生の姿で あの子が特殊なだけ。 あの子もいつか こうやって みんなで笑うのだろうか。 ≪気になるあの子≫…END
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!