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次の日の朝、いつもの時間に教室に行き、昨日もらった進路希望調査の紙を眺めていた。 第1志望から第3志望まで・・・。 当然のごとく、紙には何も書かれていない。 ため息が漏れる。 「おはよう。朝から、なにため息ついてるの?」 「あ・・・。うん。 進路の紙みてた・・・。」 「そうなんだ。河原は進学希望なの?」 「一応ね。でもどこに行きたいとかまだ決まってなくて・・・。」 「そっか。進路って悩むよな。」 「江口君も悩んでるの??」 「あ・・・。いや・・・。 俺はもう決めてある。」 「へぇ。すごいね。 江口君の成績だとどこでも行けそうだもんね。」 「そんなことないよ。 第1志望はまだまだ圏外だし・・・。頑張らないとなんだ。」 「そうなんだ。」 ここで会話は途切れてしまった。
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