転校生。

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「どうした?」 クレスは俺に聞く。 コイツ、まさか、恋に関する感情は読めないのか…? 「やめてよ!!」 ヒカリの声が響く。 「私の彼氏に手をださないでよ!」 「あ、悪い、そんなつもりじゃねんだ、」 クレスはそういう。 ん? 「(この女、今、私の事を『部外者のクセにベタベタしやがって』って思ってやがったな?)」 クレスの心の声が聞こえる…? 一体…? するとクレスは、 「帰る、」 と言って、3階のベランダから、 落ちた。 「クレス!?」 「やめて!あの子と関わらないで!」 振り返ると、ヒカリが目に涙を溜めて、俺を見つめていた。 俺は周りにいた女子に、 「頼む、俺の代わりに、ベランダの下の様子、見てくれないか?」 「居ないよ?」 「え?」 女子の一人がそう言った。 居ない? 「着地した音も、走るような足音もしなかった。」 「血の後すら無いよ…。」 俺は考えた。 「……アイツが死ぬわけ無かったか、…みんな、今日あった事は忘れて、帰ろう。」 そう言って俺達は教室をあとにした。
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