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〔幼なじみの恋人〕and〔魔法使いの女〕
〔幼なじみの恋人〕
俺の家、ひい祖父さんがヤクザだったんだ
でも、小学校入って物心ついた頃にはそんな話なくなっててさ
家族中誰もその話しなくなってて何かあったのかな
私の家は水戸光國の子孫だよ
お祖父さんとお父さんが同じ家から婿養子にきてるから光國の家系図には載ってないって
お揃いだね
長男と末っ子さえお揃いに思えて嬉しかった
あの頃から何でもお揃いって聞くと彼女が俺を好きって意味だと思ってる
彼女は足が悪くてあまり外に出ないから俺がいろんな話をしに家まで通ってた
彼女は海辺に住んでて、やっぱり大人になって自分の家を買う時も海辺を選んだ
初恋ってどこかに残るみたいだ
思い出すと脳がリラックスする何か成分があるんだと思うんだよな
俺の初恋は彼女の初恋だと確信してるから永遠に壊れない淡いものがある
俺は幸せな男だ
10才まであの町にいた
旧友に会うと君の話をするから俺の中では生きた物語のままだ
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