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でもまあ…
早く帰りたいことに代わりはないからな。
だから目だけは先生を離さなかった。
「まぁ…なんで呼び止めたかっていうと
お前俺の最後のHR聞いてなかっただろ?」
はい、聞いてませんでした…。
でもこれは流石に声に出せないから無言を貫いた。
でもそれを肯定ととった先生は軽く苦笑いしながら喋り始めた。
「まぁ…そんなことだろうと思って呼び止めたんだよ
お前は本当の友達なんて出来ないって思ってるだろ?」
「ッ!」
予想外の台詞とその言葉が図星の俺は目を見開いて驚いた。
そんな俺の反応を見ながらも先生は話を続ける。
「その気持ちも分かるけどな
自分が心開けばきっと出来る。
高校生活頑張れよ
卒業おめでとう気を付けて帰れよ?」
「………」
無言で見つめる俺に、笑顔で言った先生はそのまま校舎へと戻って行った。
ありがとうございます。
俺は感謝の言葉を心で唱えてから家路についた。
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