0人が本棚に入れています
本棚に追加
車を降りた俺達を待っていたのは
“光空学園第三職員室”
とデカデカと書かれた建物だった。
第三…?
えぇと…
少なくともこの学校には三個の職員室があるってことだよね?
普通の学校なら近付きたくない場所が…。
三カ所もあると…。
そのぶん教師も多いんだろうな。
うん。
悪さしないように気を付けよう。
その入口に立つと、名簿らしき物を片手に持った先輩が近づいてきた。
「新入生の方ですか?お名前を聞いてもいいかな?」
名簿に目を通しながら優しそうな男の人が話かけてきた。
「えっと…鈴木翔っていいます。
宜しくお願いします。」
「はい。じゃあ翔君は一号館の二階九号室になります。
案内はこの男がするので付いていって下さい。」
そう言うと名簿を持った男の後ろから背の小さめの先輩がやって来た。
「俺は二年生の江口です、宜しく。」
「鈴木翔です。
お願いします。」
江口先輩と握手を交わし先輩の後に付いていく。
第三職員室の前を右に曲がって歩くと、外観は古ぼけたアパートのような内装に期待は一切持てない建物が見えてきた。
どうやらそれが一号館と呼ばれる場所らしい。
途中江口先輩が荷物を持ってくれると言ってきたが、流石に申し訳なくて断りながら建物を目指して歩く。
最初のコメントを投稿しよう!