0人が本棚に入れています
本棚に追加
入口を入ると何の飾り気もない踊場があり、目の前には質素な階段があるだけだった。
確か二階って言ってたな…。
やけに薄暗いけど…一階は使ってないのか?
そう思い踊場を見渡すと階段の左手前に廊下が見えた。
ちょっとした興味本位で階段に登る前に廊下を覗いてみた。
げ……
超暗い…
まだ昼間だよなあ…?
「一階は今使用禁止だぞ?
ちょっと色々あってな」
真っ暗な廊下をみて俺が引いていると、階段の上から江口先輩が言ってきた。
なんでですか?って聞きたかったけど…あの先輩の意味深な言い方聞いたら聞きずらいな…。
今は大人しく付いていこう。
俺はそう思い素直に先輩に付いて行った。
階段を上がりきると目の前には水道場兼踊場があった。
目の前の水道場の窓からは左手に伸びる廊下が見える。
その廊下に入って俺は衝撃を受けた。
な…なんだこの建物…
監獄か…?
廊下から見える景色は、左側には等間隔で部屋が並び、右側には格子付きの窓が等間隔で並んでいた。
部屋の入口には小さなスモークがかった小窓がついたドアがあるのみ、全体的に薄い水色?のような色合いと作りから、俺には少年院のような場所が頭に浮かんだ。
まぁ…俺は行ったことないけど…きっとこんな感じなんだろうな…。
ところどころ壁やドアには殴った形跡が見られ、より一層イメージが一致していった。
最初のコメントを投稿しよう!