新たな始まり

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入口を入ると何の飾り気もない踊場があり、目の前には質素な階段があるだけだった。 確か二階って言ってたな…。 やけに薄暗いけど…一階は使ってないのか? そう思い踊場を見渡すと階段の左手前に廊下が見えた。 ちょっとした興味本位で階段に登る前に廊下を覗いてみた。 げ…… 超暗い… まだ昼間だよなあ…? 「一階は今使用禁止だぞ? ちょっと色々あってな」 真っ暗な廊下をみて俺が引いていると、階段の上から江口先輩が言ってきた。 なんでですか?って聞きたかったけど…あの先輩の意味深な言い方聞いたら聞きずらいな…。 今は大人しく付いていこう。 俺はそう思い素直に先輩に付いて行った。 階段を上がりきると目の前には水道場兼踊場があった。 目の前の水道場の窓からは左手に伸びる廊下が見える。 その廊下に入って俺は衝撃を受けた。 な…なんだこの建物… 監獄か…? 廊下から見える景色は、左側には等間隔で部屋が並び、右側には格子付きの窓が等間隔で並んでいた。 部屋の入口には小さなスモークがかった小窓がついたドアがあるのみ、全体的に薄い水色?のような色合いと作りから、俺には少年院のような場所が頭に浮かんだ。 まぁ…俺は行ったことないけど…きっとこんな感じなんだろうな…。 ところどころ壁やドアには殴った形跡が見られ、より一層イメージが一致していった。
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