0人が本棚に入れています
本棚に追加
廊下を歩きながら昼休みを存分に満喫している生徒達が、俺の横を走っていく。
「今日日の若者は元気だねぇ~」
などと俺自身年寄りじみた台詞だと感じながら呟く。
いやいや、そもそもこんなこと考えてていいのか俺?
俺もアイツらと一緒に笑って走りまわってた方がいいんじゃないか?
まだ中学三年生なわけだし…。
心の中で変な葛藤をしながら俺は周りを見渡す。
周りに生徒達の雑音が少なくなってきた。
いくら昼休みとはいえ、職員室前でバカ騒ぎする連中は居ないようで、その周囲だけが異様に静かだった。
俺は“職員室”と書かれたプレートを見上げ溜め息混じりに扉を開いた。
「失礼しま~す」
気だるさ全開の俺の目は、右奥で一際目に付く長身男性を捉えた。
「先生話ってなんですか?」
俺に呼び掛けられた長田先生は目の前の書類から目を離し、俺を見上げてから口を開いた。
「来たか…高校の進路についてだが…お前どうする?」
なんだそんなことか
それならもう答えは決まっている。
「ここの奴らが誰1人進学しないとこで」
俺の発言を聞き目を見開いて驚く長田先生
いや、驚きすぎだろ?
俺は何も間違ったことは言ってないぜ?
「先生?」
「あ…あぁ
誰も進学しないとこだったな?」
「はい」
俺の呼びかけで我を取り戻した先生は、先程まで見ていた書類に目を移し考え始めた。
大体今の俺には学校なんかどこだっていい。
どぉせどこも変わらないからさ。
「そぉだな…
光空学園なんかどうだ?」
最初のコメントを投稿しよう!