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周りから聞こえてくるのは俺を馬鹿にした台詞ばかり…
俺は悔しい気持ちでいっぱいになりながら、流れそうな涙を見られない様に机に顔を伏せ続けた。
悔しいな…
漫画の中に出てくるような友達なんかこの世にはいないのかな?
殴り合って分かりあい。
友達が人生の道を外しそうになったら身を粉にして助ける。
友達に危険が及んだら自分の身を犠牲にしながら守る。
所詮は戯れ言なのかな…
世の中こんな奴らばっかりか…?
俺は1人自問自答し続けた。
授業は全て聞き流し、学校の終わりを告げるチャイムの音が聞こえた途端家路へと急いだ。
早くその場を去りたくて。
家に着き、リビングに着いた俺を出迎えてくれたのは、目が俺に瓜二つな母だった。
「お帰りなさい」
俺の帰りに気付いた母さんは俺の方に向きながら笑顔を放ってくれた。
「ただいま
母さんごめん…俺…また明日から学校には行かない…
中学の間だけ我慢してほしい…」
その笑顔に胸が締め付けられながら俺は
“不登校宣言”
を母さんにした。
あの時の母さんの顔は今でも忘れないよ。
せっかく久しぶりに学校に行った息子を見て、きっと朝から嬉しかった筈なのに…
その息子が帰ってくるなり
“不登校宣言”
だもんね。
母さんは今までの笑顔と打って変わって、その場に泣き崩れた。
ごめん。でも、あそこで学ぶことは俺にはないよ。
「ごめん…
それと俺は光空学園に行くことにするよ」
泣き崩れる母をこれ以上見ていられなくなった俺は、それだけ言ってその場を逃げるように自室へと向った。
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