桐壺

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上達部や殿上人もあまりのことに見兼ねて目を背けるというご様子なのです。それはもうこちらが目を背けたくなるほどの寵愛です。 昔、中国でもこのようなことが原因で世の中も乱れてしまったことがあります。 次第に帝のご寵愛は人々の悩みの種となり、先程申した『楊貴妃の例』を繰り返しそうでございます。 桐壺の更衣はいたたまれなく辛いことが増えてゆくけれど、恐れ多い帝のご愛情だけを頼りに宮仕えをするのでした。
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