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命婦が里を訪ね、桐壺の更衣の母は、娘に先立たれてから悲しみのあまり、庭の手入れを怠り、雑草も高く伸び放題なのでした。
母は涙でむせ、すぐには口も聞けません。
「今まで生きているのでさえ、辛いのに恐れ多いあなたがこうしてお尋ねくださるのも恥ずかしく身の置き所もありません。」
と言いながら泣くのでした。
「こちらに伺いますと、『辛そうで魂が消え入るようだった』と典侍が帝に申しあげておりましたが、たしかに私のような者でも本当に辛そうで耐えられそうにもございません。」
と言います。
しばらく心を落ち着かせてから帝から預かったお言葉を伝えました。
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