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少年と目が合ってその直後にリオレウスと目が合った少女ははっきりと思った。
「(あ、ワタシ死んだわ)」
そう直感した直後に彼女は意識を失って倒れていた。
それを見ていた少年は―
「やべっ…ビビらせちまったかな……」
しばらくして少女が目を覚ますと洞窟内で眠っていた。
辺りを見渡してもさっきのリオレウスと少年の姿はない。
と、安全を確認してホッとしたように息を吐いた時―
「お、やっと目が覚めたか?」
と洞窟の外から声をかけられ、その声の主はこっちへ近付いてくる。
ゆっくりと後ろを振り向くとそこにはさっきまでリオレウスの背で眠っていた少年がいた。
「夢じゃ…なかったの……?」
「ンー悪いな、なんか勘違いさせちまったみたいで…」
「じゃあ…さっき見たリオレウスは…ワタシが見た幻覚…?」
「ンー?いや、幻覚じゃなくて間違いなくさっきまでここに居たぜ?」
少年があっさりとそう言ったので少女は焦りを隠せなかった。
「…っと、そういや自己紹介がまだだったな。
俺はマルクルス=シュトルツ、まぁ気軽にマルクとでも呼んでくれや。
ンで、お前の名前は?」
「……シャルロッテ=ミラーよ」
「なるほど、シャルロッテか…うーンそうだな……よろしくな!ロッテ!」
「何でシャルかロッテの二択でそっちを選んだのよ!
せめてシャルにしてくんない!?」
と、シャルはあまりにも気に食わなかったため思わず食らいつくように言った。
「…まったく、ところでさっきの話の続きだけど…
そのリオレウスはどこへ行ったの?そんでどうやって襲われずに切り抜けたの?」
その問いに対してマルクは失笑しながら答える。
「はっは、アイツはちょっと目立つから一旦"家"に帰らせといたのさ。
それから、ブレスには人を襲う概念はもうないぜ?」
そう返答が返ってきてシャルは目を点にしてキョトンとしていた。
「……は?人を襲う概念がないって…何でそんなことが言えるのよッ!?
それにブレスって何よッ!??」
「いやぁ、だってブレスはガキの頃から俺と一緒に育ってきたからな。
俺たちは家族みたいなモンなのさ、あと『ブレス』はアイツの名前だ」
さらに返ってきた衝撃的な返答にシャルは何も言葉が出なくなり
「あ、そう……」と適当に答えておいた。
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