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「…ところで、アンタもギルドの命か何かで来たの?」
「…まぁ、ギルドからの任務ってのは間違いでもないかな?
…シャルもどっかのギルドに属してるのか?」
と、マルクはシャルに持っていた携帯食料を分けながら問いかける。
「まーね、"狩人の集い"っていうギルドのメンバーに属してるんだけど…
アンタも一度くらいは聞いたことあるでしょ?」
「そりゃな、たぶんこの世でいちばん有名なギルドだろうからな」
"狩人の集い"とは、この世界でもっとも有名で巨大なギルドである。
狩りの素人から、どんな大物でも一人で狩れるような達人まで
誰でもすぐに加入できるギルドだ。
だが、ギルドの創設者のことは情報が出回っておらず
ギルドのメンバーですら誰も知らないと言われている。
ちなみに世界中に居るハンターの内の30%は
"狩人の集い"に属しているという噂さえ立っている。
それが噂という枠でおさまっているかどうかも怪しいモノだ。
「…じゃあマルクはどこのギルドに入ってるの?」
「…俺はシャルみたいに有名なギルドじゃねーから言ってもしょうがねーよ」
「いいから言いなさいよ、もしかしたら知ってるかもしれないでしょ?」
「……"竜の守護者"…『ドラゴンガーディアン』ってギルドさ」
「………えぇ!?"竜の守護者"……ッ!??」
シャルはそのギルド名を聞いた途端食べていた携帯食料を吹き出し
さらにマルクに食らいつく様に質問を返してきた。
「ちょ…ちょっと待ってよ…"竜の守護者"って…
噂には聞いたことはあったけど、本当に実在するギルドだったの…!?」
「オイオイ、一体どういうモンだと思ってたんだよ…」
「だって…"竜の守護者"と言えば、超少数のギルドでありながら
メンバーは精鋭中の精鋭、一人でも古龍を倒せるとか倒せないとか…
……アンタがその"竜の守護者"のメンバー…?」
「…あー、そうだよ?俺が古龍を倒せるかと聞かれたらきわどいけどな…
…まぁ、古龍だけを目標にしてるやつもギルドにゃ一人いるけどな…」
などと言っているマルクを見てシャルはポカーンとしていたが、あることに気付いた。
「……だからそんな良さそうな装備をしてるわけか…」
そう言われたマルクの装備は"雷狼竜"と呼ばれるジンオウガの装備だ。
そう言われたマルクは嬉しそうだが、少し複雑そうな顔をしていた。
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