EpIsOdE1 EffEct wEApOn

14/17
前へ
/553ページ
次へ
「てい」 「躊躇なしっ!?」  白(つくも)に50のボタンを押されるとあっという間にドアは閉まり、エレベーターはグンッと下に向かって動き出した。  まるでもう二度と地上には戻れないのだと言う様にエレベーターはハイスピードでドンドン降下していく。 「……なんか(この先には行っちゃったらもう……)」 「うん?」 「ううん……私一応覚悟決めとくよ」 「?」  妙な緊張感を一人感じている螺糸(らいと)に対し、やはり冷静な白は首を傾げる。  5分もするとエレベーターは停止し、ゆっくりと扉が開く。  そこに広がっていた光景は、白い床と壁がただ真っ直ぐ続き、左右二つある扉と十メートル先にあるセキュリティの付いた自動ドアらしきものがあった。  白はおもむろにエレベーターからその白い廊下へ踏み出す。 「ちょっと刃ぁちゃん!」 「だって、研究員さん探さなきゃ」  迷いなく廊下を進んでいく白に慌てて着いていく螺糸。そこで思い付く、単純な妙案。 「あ!! そうだ携帯使ってお父さんに!!」 「ここ多分地下だよ?」  白が冷静に切り返すのを押し退け、携帯を取り出す螺糸だったが、案の定「圏外」が虚しく目に入る。
/553ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1298人が本棚に入れています
本棚に追加