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窓際の眺めの良い席で弁当を食べ続けているそんな彼女に、一人のクラスメイトが近付いてくる。
クラスに一人は居そうな誰にでも声を掛け、仲良くなれる協調性を持つ爽やかな男子生徒が爽やかな笑顔で白(つくも)に話し掛ける。
「白さん。そんな所で一人寂しく食べてないで俺達と食べない?」
白はその男子生徒の顔を一瞥すると、無表情のまま淡々と告げる。
「いえ。私は一人で大丈夫です。お構い無く」
言い終えると弁当に向き直り、また黙々と食べ始める。
「そんなこと言わずに! 飯は皆で食べた方が旨いって!!」
今度は一瞥すらせずに。
「すみませんけど、食事中に話し掛けないで下さい」
「あ、うん……ごめん」
気圧された男子生徒はそのままトボトボと自分の仲の良いグループに戻り「フられてやんのっ」と笑われている。
更には離れた場所の女子グループからは「ああやって強がってんだよ。感じ悪っ」という声まで聞こえてくる。
そんな言葉が耳に入るもただ黙々と弁当を食べ続ける。
そしてその日の放課後、午後4時15分。
いつも通りの日常を終えた白は学生鞄に教科書を入れ、帰り支度をする。
いつも通り淡々と。
すると、また彼女に誰かが近付いてくる。今度は女子生徒だ。
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