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次々と教室から生徒が下校をする中、白刃雅音(つくも はがね)とその唯一の親友螺糸露霧(らいと ろむ)が一緒に下校していた。
今は校門と下駄箱の丁度中間を歩いていた。
現在は白が螺糸の父親への愚痴の聴き手に回っていた。
「大体お父さん仕事し過ぎなんだよ! いくら有名な研究施設の室長の一人だからって夕飯買いに行くのも惜しいなんて!!」
「まあまあ。お父さんだって露霧ちゃん達家族の為に働いてくれてるんだから」
「それにしたって頑張り過ぎ!!」
校門を抜け、研究施設への道のりを歩みだした辺りからだんだんと螺糸の愚痴がエスカレートしていく。
「そもそも『自然エネルギー供給開発』って何よ! 一週間前に久し振りお父さんにあって聞いたら「落雷を利用する」とか言って露骨に焦った感じでお茶濁されたし!!」
「仕方無いよ。そうゆうのって秘密厳守だったりするし」
ヒートアップする螺糸に対して白はいつもの調子で徹底した聴き役に徹していた。
そんな愚痴を聴き続けて約10分。
侵入者防止用の有刺鉄線が長い白壁の上に張り巡らしているのが白の目に留まる。
「ほら。着いたよ研究施設」
「え? あ、ホントだ」
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