始まりのような・・・

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誕生日 年が明け何となく落ち着かない教室内を抜け出して何となくたまり場的になっている生徒会室に横山と村上、渋谷、丸山が居た。 「ひなは今年何がいい?」 「サッカーボールは去年あげたし」 「イタリアン以外やったら男前すばちゃんが奢ったるで!」 「僕はスイーツの美味しいお店…」 何の話を真剣にしているのか分からずとりあえず本日の昼飯を口に運ぶ横山。 視線を感じふと顔を上げると村上と目が合う。 「よこちょ、美味しい?」 いつの間にか《よこちょ》とあだ名を付けられしかもつるむ仲間に加わっていた。横山は何ともこの状況が理解出来ず、村上の視線にも慣れる事も出来ず眉間に皺を寄せる。 そんな二人のやり取りに気付いた渋谷が低い声で「ひなの誕生日プレゼント、何がえぇかなぁ」と、わざとらしく言った。 「…お前誕生日なんか?」 口の中を空にしてから問い掛ける。 「ぉん。…それより、美味し?から揚げ…」 何故だか必死に聞いてくる村上に圧倒され大きく頷く。と、ふわっと眉を下げ微笑む村上に開いた口が塞がらない横山。 (…なんなん…コレ) .
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